Q&A

遺言書作成・遺言執行に関するQ&A

Q2-01
遺言書の種類にはどのようなものがあるのですか?

大きく分けて、通常の方式である普通方式と、死が目前に迫っている場合や伝染病で隔離されている場合など、普通方式による余裕がない場合に用いられる特別方式の2つがあります。

普通方式の中には、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3種類があります。一方、特別方式の中には、死亡危急者遺言、伝染病隔離者遺言、在船者遺言、船舶遭難者遺言の4種類があります。

Q2-02
自筆証書遺言の方式はどのようなものですか?

遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに押印しなければならなりません。タイプ打ちのもの、コピーしたもの、ワープロによるもの、点字によるものは、自書には当たりません。使用すべき印章には制限がなく、認め印でも問題ありません。

Q2-03
公正証書遺言を作成する場合、公証役場に支払う費用はいくらかかるのですか?

各種公正証書作成時の公証役場の手数料等は、政府が決めた公証人手数料令により、法律行為の目的価額に従って、下表のように定められています。

遺言公正証書の作成手数料は、遺言により相続させ又は遺贈する財産の価額を目的価額として計算します。遺言は、相続人・受遺者ごとに別個の法律行為になりますので、各相続人・各受遺者ごとに、相続させ又は遺贈する財産の価額により目的価額を算出し、それぞれの手数料を算定し、その合計額がその証書の手数料の額となります。

例えば、総額1億円の財産を妻1人に相続させる場合の手数料は、下表によると、4万3000円です(なお、下記のように遺言加算があります。)が、妻に6000万円、長男に4000万円の財産を相続させる場合には、妻の手数料は4万3000円、長男の手数料は2万9000円となり、その合計額は7万2000円となります。ただし、手数料令19条は、遺言加算という特別の手数料を定めており、1通の遺言公正証書における目的価額の合計額が1億円までの場合は、1万1000円を加算すると規定しているので、7万2000円に1万1000円を加算した8万3000円が手数料となります。

遺言者が病気等で公証役場に出向くことができない場合には、公証人が出張して遺言公正証書を作成しますが、この場合の手数料は、遺言加算を除いた目的価額による手数料額の1.5倍が基本手数料となり、これに、遺言加算手数料を加えます。この他に、旅費(実費)、日当(1日2万円、4時間まで1万円)が必要になります。

作成された遺言公正証書の原本は、公証人が保管しますが、保管のための手数料は不要です。

目的の価額 手 数 料
100万円まで 5,000円
200万円まで 7,000円
500万円まで 11,000円
1,000万円まで 17,000円
3,000万円まで 23,000円
5,000万円まで 29,000円
1億円まで 43,000円
 3億円まで、5,000万円ごとに13,000円加算
10億円まで、5,000万円ごとに11,000円加算
10億円超は、5,000万円ごとに 8,000円加算
Q2-04
公正証書遺言を作成する場合、証人が必要と聞いたのですが、誰に頼めばいいのですか?

民法上、未成年者、推定相続人(将来相続人となる予定の人)、受遺者(遺言による遺贈を受ける人)、推定相続人・受遺者の配偶者・直系血族、公証人の配偶者・四親等内の親族、書記、従業員については、証人になれないことになっています。そのため、上記以外の方を自身で探すか、適任者がいない場合には公証役場で証人を紹介してもらう必要があります。

なお、当事務所に遺言作成をご依頼された場合には、担当弁護士や事務員が証人となれる場合もありますので御相談下さい。

Q2-05
遺言執行者がいないと一切遺言の執行は出来ないのですか?

遺言執行を要する遺言事項については、遺言執行者によってのみ執行することができること(遺言執行者が必要的)、遺言執行者がいるときは遺言執行者、いないときは相続人によって執行することができること(遺言執行者が任意的)があります。

遺言執行者が必要的な事項は、認知や推定相続人の廃除・取消です。これらの事項については遺言執行者がいないと遺言の執行はできません。

他方、遺言執行者が任意的な事項は、法定相続分を超える相続分の指定や特定の遺産を特定の相続人に「相続させる」旨の遺言、遺贈、祭祀主宰者の指定等です。これらの事項については遺言執行者がいなくとも遺言の執行は可能です。

Q2-06
相続人の廃除とはどのようなことですか?

遺留分を有する推定相続人(配偶者・子・直系尊属)が、被相続人に対して、虐待をしたり、重大な侮辱を加えたりした場合等に、被相続人の意思に基づいてその相続人の遺留分を否定して完全に相続権を剥奪できる制度です。

被相続人の生前に家庭裁判所に申し立てる方法と、遺言で行い、被相続人の死後に遺言執行者が家庭裁判所に申し立てる方法があります。

Q2-07
遺言執行者の報酬は誰が支払うのですか?

民法上、遺言の執行に関する費用は、相続財産の負担とすると定められています。遺言執行者の報酬は、相続人の誰かが別途負担するわけではなく、通常相続財産を管理している遺言執行者が、相続財産の中から報酬を控除した上で、相続財産の引渡し、清算を行う方法が一般的です。

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